2024年5月18日土曜日

追悼Steve Albini(スティーヴ・アルビニ)

 Steve Albini(スティーヴ・アルビニ)が亡くなった。  

スタジオの中で心臓発作で亡くなったと聞いて、  

良くも悪くも

彼に相応しいと感じたのは僕だけではないはずだ。  


アルビニのバンド活動と録音したアルバムはアンダーグラウンドから世界を変えた。  

ニルヴァーナ インユーテロ 

ピクシーズ サーファーローザ 

PJハーヴェイ リッドオブミー 

ブリーダーズ pod  

あたりが有名どころか。  


特にニルヴァーナのカート・コバーンはアルビニの大ファンで、アルビニがライブで叩き壊したギターの欠片を持ち帰っていたほど崇拝していたようだ。  

カートはピクシーズのサーファーローザを聴き、自分達のアルバムのドラムサウンドもこういう音にしたい、とバンドメンバーにも言っていたらしい。  


アルビニの録音するドラムサウンドは独特だった。  

いや、他の音源のドラムサウンドが煌びやか過ぎる、ウソのサウンドと言ったほうが正しいのかもしれない。  


実際にロックバンドのライブに行った人ならわかると思うが、ストリーミングやCDで聴ける音源のドラムは過剰に迫力があり過ぎる。  

本当のドラムを叩いてあんな音は出ない。  

加工され過ぎなのである。  

対して、アルビニの録音するドラムの音は目の前でドラマーが叩いている音そのものだ。  


ギターの音も独特だった。  

歪んだディストーションサウンドも、アコースティックギターの響きも

ごく自然な、リアルな音で録音されている。  

ピクシーズのWhere Is My Mind? のアコギの音を聴けばわかるが、  

目の前で弾いてるギターってこういう音だよね!という音だ。  


録音した音源だけでなく、有名無名バンドを分け隔てなく接した精神も彼の美学だった。  

大抵のプロデューサーはお金を対価として長期間のレコーディングに年単位で時間をかけるが、アルビニはそんなことはしなかった。  

ニルヴァーナのインユーテロもベーシックトラック、ドラム、ベース、リズムギターは2日で録音し終わり、ヴォーカルとハーモニー、ギターソロなどのオーバーダビングも含めて5日しかからなかったようだ。  

多くのバンドを録音できるわけだ。  


長々と書いてきたが、やはり彼の録音に触れて欲しい。  

できればサーファーローザのCDをラジカセで聴いて欲しいが、  

現代の住宅事情や音源の入手方法を考えると難しいので ストリーミングで良いだろう。  




今バンドをやっている人、過去にバンドをやった事がある人、これからバンドをやろうとしている人、全ての音楽好きに彼の録音した音源を聴いて欲しい。  

彼に録音してもらいたくなると思う。  


僕もその一人だった。  

いつかアルビニに録音してもらって音源を作るんだ!  と思っていたが  

叶わぬ夢になってしまった。  


ありがとう、アルビニ






X(Twitter)で見かけたアルビニのドラムサウンドの秘密。

すごい!


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