2025年9月27日土曜日

ルー・リード(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)使用機材解説

 どこに需要があるのかわかりませんが、Lou Reed(The Velvet Underground)の使用機材を解説します。

●ギター

・Gretsch Country Gentleman

グレッチ・カントリー・ジェントルマン


The Velvet Underground(以下、ヴェルヴェッツ)結成〜2ndまで使用


ヴェルヴェッツ結成時から2ndアルバムまでグレッチがメインギターのようです。

2ndアルバム「White Light / White Heat」CDの内ジャケ、あらゆる画像から確認ができます。

なぜグレッチなのかは不明。ルックスか?ジョージ・ハリスン好きだっけ?w


ビートルズの米国進出(エド・サリバン・ショー)が1964年2月なので、それ以降に入手した可能性もあります。

このグレッチは色々な改造がされたようで、3rdアルバム以降は出番がなかったと思わます。

以下、引用です。


・インタビュアー
ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド当時のギターは、どの写真にも写ってる Country Gentleman ですか。  

・ルー・リード
そうだ。グレッチのな。ダン・アームストロングって奴がいて、うまく繋げるようにしてくれた。サンフランシスコに行った時、電子技師に会って、エコーやら何やかやを組み込んでもらった。実際に弾いてるよりも速く弾いてるように聞こえるんだ。ステレオにもしたし、そうすると当然ゲインも落ちるから、バッテリーも付けたしな。自分が何をやってんのか、判ってなかったんだよ。こんな音が欲しいなって思ってたわけだが、それがどんな影響を引き起こすか、理解してなかったんだ。結局は、ギターをぐちゃぐちゃにしただけだった。ダンがそのギターを一目見て、もう仰天して、一月も口をきいてくれなかったのを憶えてる。

ルー・リード、ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドなどを語る (4/9)
より引用。
ヴェルヴェッツ2nd以降の写真で見当たらないのは、上記のインタビューの通り弾けないくらいグチャグチャになったからだと思われるw


グレッチカントリージェントルマンは現行品。
ビートルズのジョージ・ハリスンの使用のおかげで、現在も人気がある。

・Gibson ES-335TD

ギブソンフルアコ。

ルー・リード脱退前最後のライブ、1970年8月23日のライブから。


一番左がルー・リード。1969年ボストン・ティー・パーティにて。

グレッチの後はギブソンのホロウボディを使っていたようです。

しかしまぁ写真のないことw

上の2枚の写真は「up-tight」からの転載です。

グレッチが壊れたのか、気に入らなかったのか(多分前者)、Gibsonを使っていたようです。

まあグレッチに近いっちゃ近い音。



・Steve Klein Electric Guitar

スティーブ・クライン製のヘッドレスギター。

1993年のヴェルヴェッツ再結成公演で使用。


写真のようにボディカラーがサンバーストの2ハムバッカー仕様と

ボディカラーブラックのシングルピックアップ仕様を使い分けてた模様。

チューニングよるギター交換なのか、音によるギター交換なのは神のみぞ知る。w

音にこだわりまくるルー・リードのことだからおそらく後者であろう。


再結成公演で使われた楽曲は、ブラックボディ→White LIght/White Heat、Hey Mr.Rain、I'm Sticking With You、Rock 'N' Roll、Sweet Jane、I'm Waiting For The Man(僕は待ち人)、Heroin、

と7曲で使用されているのがDVDで確認できる。

サンバーストボディ→Beggining To See The Light、Some Kinda Love、I Heard Her Call My Name、と3曲で使用されているのがDVDで確認できる。


スティーブ・クライン製のギターは完全に人の手で作っているらしく、

ヘッドレスギターは100万円以上します!w

Klein Japan sTele という日本製もありますが、税込30万弱w

ほしいけど高い!www





・Fender Custom Shop Danny Gatton Telecaster


フェンダーカスタムショップ製、ダニー・ガットン・テレキャスター。

シングルサイズのハムバッカーが2基付いている。


1993年のヴェルヴェッツ再結成公演では、

Steve Kleinとテレキャスターの3本で公演をこなしていたようだ。

再結成公演で使われた楽曲は、Femme Fatale(宿命の女)、I'll Be Your Mirror、Pale Blue Eyes、

新曲のCoyoteと4曲で使用されているのがDVDで確認できる。



●アンプ

・Fender Deluxe

フェンダー・デラックス。


・インタビュアー
当時の写真を見ると、アンプはフェンダー・デラックスですか。   

・ルー・リード

今でも持ってるよ。偉大なアンプだ。だが、2〜3年前にスピーカーを痛めちまってな。もう作ってないって言われちまった。

http://rocqt.net/140619

ルー・リード、ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドなどを語る (5/9)

より引用。


元は1998年の「Guitar World」誌のインタビューなので、1995-1996年あたりに壊したと思われる。全く同じスピーカーを欲しがるあたり、音への異様なこだわりが感じられる。

ヴェルヴェッツ2ndのインナーにも写真が写っているので、おそらくヴェルヴェッツ1st-2ndはこのアンプ。

ミドルが特徴で、他のアンプと比べると低音が引っ込むがミドルがプッシュされる。ギターの音域で美味しいのはミドルらしいので、ルー・リードはそれを1960年代からわかって使っていたのだと思う。


●エフェクター

・VOX V828 Tone Bender

ヴォックスのトーンベンダー。歪みの種類だとファズ。

「Up Tight」によるジョナサン・リッチマンのインタビューによると、1st・2ndではVOXのアンプとVOXのファズが使われたという。おそらく彼の言うファズがこのV828だ。製造年が1966-1967年というのもピタリと一致する。



参考

Lou Reed Guitars and Gear List

https://www.guitarlobby.com/lou-reed-guitars-and-gear/



2025年6月27日金曜日

追悼パトリック・ウォールデン

 ベイビーシャンブルズの元ギタリスト、パトリック・ウォールデンが亡くなった。



ピート・ドハーティがリバティーンズを追い出された後、ドラッグ代を稼ぐためにやっていたバンドがベイビーシャンブルズだが、当時リアルタイムでリバティーンズのガチファンだった自分には正直複雑だった。CDを買うとそのお金でピートがドラッグを買って死んでしまうんじゃないかって。カールから距離を置かれた後、頼ったのがベイビーシャンブルズのメンバーだった。最初は女性ドラマーがいたのだが「あのバンドはお薬がすごかった」と言われ脱退されてしまう。その後に入ったメンバー4人でヘロヘロな演奏をしていたので、みんなドラッグ漬けだったのだろう。でもピートの空虚感を埋めてくれたのがバンドだったのだろう。

その中でもパトリック・ウォールデンことパットはピートにとって特別な存在だったと思う。

リバティーンズではピートもギターを弾いていたが、ベイビーシャンブルズではギターを弾かずにハンドマイクで歌っていることが多い。パットのギター1本で十分なのだ。と思わせるほどのギタリストだった。

1stアルバム「Down In Albion」の半分はピートとパットとの共作だ。代表曲の"Fuck Forever"、パンクな"Pipedown"のソングライティングはもちろん、"Killamangiro"のジャズマスターのアームを使ったプレイなど、パットの貢献は数えきれない。

ベイビーシャンブルズの脱退が報じられた時、日本のファンサイト(懐かしい響き)では「パット戻って来てー!」「ミックって誰?」って感じだったことを覚えている。

パット脱退後、ミックの加入後のベイビーシャンブルズはメンバーチェンジもなく普通にバンドとして成り立っていた。

その後、パットの話題はリバティーンズ関連でほとんど出てくることはなくなり、むしろベースのドリュー・マコーネルがリアム・ギャラガーのソロバンドに引き抜かれて活躍したり、パットどうしてるかなー?と思っていた矢先の訃報である。

悲しかった。

ピートと並んでギターを弾くパットが好きだった。

ピートは今週末、リバティーンズとしてグラストンベリーのピラミッドステージに立つ。

パットのことを考えるんだと思う。



「Down In Albion」のCDを棚から引っ張り出して聴く。


2025年6月1日日曜日

BJC『LAST DANCE COMPLETE BOX』が20%OFFで登場

BLANKEY JET CITYが解散前に行った伝説のラストライブ。その模様を収めた『LAST DANCE』が、完全版ボックスセットとして復刻されます。

オリジナル発売から25年。ファン待望の内容に加え、現在セブンネットショッピングでは20%OFFの特別価格で購入可能です。

本商品は生産限定盤となっており、在庫がなくなり次第終了となります。気になる方は、ぜひこの機会にチェックを。

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2025年3月25日火曜日

Blankey Jet Cityの小話 -ロメオ編-

ブランキーを聴いていたら色々思うことがあり、1つの記事にまとめて色々書こうと思ったら1曲だけで結構な文量になったので、

ひとまずロメオ編だけどうぞ。


 -ロメオ編-

1.歌詞

音源での元の歌詞は、

気の「触れた」振りをすればいいし

だったが、レコード会社に修正をくらい、

気の「ぐれた」振りをすればいいし

に変更した。

ちなみにライブでは元の歌詞を歌っている。

浅井健一のスーホーレディオ 2024年9月28日の放送分で語っています。



2.録音

日本でデモテープを作った後ロンドンに行き土屋昌巳と本番のレコーディングをしたが日本に戻って聴き返してみたらベンジーと照ちゃんがデモのほうが好きと意見が一致、正式な音源はデモテープのほうが採用された。

インタビュー集ワイルド・ウインター文庫版410-415ページに記載がある。

お蔵入りした土屋昌巳とレコーディングした音源は2009年発売のアルバム「RARE TRACKS」にロメオ-London Session on 17 May 1997- として日の目を見た。

2本目のギターパートが違ったり、歌詞も少し変更されている。

ロンドンのセッションでのロメオはお蔵入りになったが、Don't Kiss My Tailはシングル"左ききのBaby"3曲目に収録された。




3.ライブ時のコード進行

音源のコード進行はB→D→Gだが

ライブ時はB→D→Aに変更している。

おそらくこちらのほうが簡単で歌いやすいからだろう。


4.使用機材

ギターソロが終わった後にトレモロが登場。

「昌巳さんがいつも使ってるトレモロと同じなんだけど、名前は忘れたわ」

...忘れたんかいっ!www


ギター・マガジン1998年9月号より


土屋昌巳さんが使っているトレモロの情報知っている方がいたら教えてください。





それではまた(^o^)/


2024年11月9日土曜日

浅井健一OVER HEAD POP TOUR福岡公演を観た

ベンジーのライブに行くのはもう何回目だろう。

初めて観たのがブランキー1998年フジだったので

もう26年も前になるのかぁ。

福岡公演はわりと早くSOLD OUTになったようだ。

キャパ小さいDrum Be-1だからしょうがないかもね。


ライブはここ20年の中でも出来がよかったほうだと思う。

まずドラムの小林瞳さんのドラムとコーラスが素晴らしい。

シンプルだけどしっかりリズムを刻むタイプの僕が好きなドラマーだ。

ベースも他2人しっかり支えて、お客さんを煽るところはステージ前に出たりアクションが多く、ちゃんとバンドになっている印象だった。


選曲は最新アルバム「OVER HEAD POP」中心に、

ソロ"危険すぎる"、KILLS"Vinegar"、JUDE"シルベット"などを挟み

そしてブランキー時代の楽曲が今回は多め。

"SWEET DAYS"、"パイナップルサンド"、"ガソリンの揺れかた"、"SALINGER"、"SATURDAY NIGHT"となんと計6曲。


"ガソリンの揺れかた"、"SALINGER"が続けて演奏された時は盛り上がっていたなぁ。


それと今までと違うのはブランキーの曲を演奏するとき

ブランキー時代のライブとギターパートを変えてるところがちょこちょこあった。


ベンジーが曲中に「あれ?」みたいになるのが数回あったがご愛嬌。


楽しいライブでした。


アンコールが終わってメンバーがはけてから、

ベンジーのグレッチテネシアンを

ステージの真ん中に置いて

撮影タイムにしていたのは

スタッフの粋な計らいだと思った。


私も一枚。

変な角度からだけど。w



2024年8月24日土曜日

U-NEXT限定配信"「AJICO「アジコの元型」at 日比谷野外大音楽堂」"を観た

せっかくのU-NEXT無料トライアル期間中なので。


序盤は最新EPを中心にセットリストが進んでいく。


ベンジーはいつものグレッチ・テネシアン、Gibsonアコギ、12弦アコギ、表面が銀色で本体が青のグレッチと持ち替えながらギターにバッキング・ヴォーカルにメイン・ヴォーカル、MCと大忙し。


中盤からはUAソロやベンジーの過去の曲からカヴァー。


ベンジーソロから1曲。

そしてブランキーからなんと3曲。


ペピン

SWEET DAYS


そして、


ガソリンの揺れかた!


UAとハモるガソリンの揺れかたはカッコよかった!


MCからもバンドの調子が良いことが伝わってくる。

TOKIEさん結婚おめでとう、UAを雨女にしたがるベンジーとそれに抵抗するUA、今日のお客さんは最高だねと椎野さん。


映像作品としてリリースしたら良いのにねえ!ってくらいの良いライブ映像でした。



(^o^)/ではまた


2024年8月20日火曜日

花田裕之(ルースターズ)使用機材解説

 今年になってサブスクも解禁された、ルースターズ花田裕之の使用機材を解説します。



2004年フジロックのラストライブでは

●ギター

・Gibson ES-335



Fade Away、Let’s Rock、We Wanna Get Everything、Sitting On The Fence、Hey Girl、気をつけろ、Leather Boots、ニュールンベルグでささやいて、C.M.C.、ロージー、Do The Boogie、恋をしようよ、Honest I Doで使用

・Gibson Les Paul Jr.

ギブソン レスポール・ジュニア

Little Red Roosterで使用(ラストライブイヴの新宿ロフト公演でも使用)


・Gretsch White Falcon

グレッチ ホワイトファルコン


Case Of Insanity で使用(ラストライブイヴの新宿ロフト公演では使用せず)

●アンプ

・Marshall JCM

●エフェクター

接続順はギター→BOSS CE-1→ケンタウルス→アンプ。

・BOSS CE-1 コーラスアンサンブル

アナログならではの太いコーラス音が特徴。

すでに廃番で手に入らないので

近年発売された、BOSS技クラフトシリーズのBOSS CE-2Wでも代用可能。

・BOSS CE-2W コーラス

・KLON Centaur

ケンタウルス オーバードライブ

説明不要の超有名オーバードライブ。

ケンタウルスコピーは数多く出回っているが、

筆者おすすめはStudio Daydreamさんの商品。

ルックスもケンタウルスっぽい色でかっこいい。


(^o^)/ではまた