2019年9月16日月曜日

【雑記】the pillows30周年と、エルレ再始動、リック・オケイセックの訃報に寄せて

僕が現役で活動中の日本のバンドで唯一、ファンと答えることができるthe pillowsがバンド結成30周年を迎えた。

おめでとうございます。


それと同日、以前大好きだったバンドのフロントマンが逝去した。
The Cars(ザ・カーズ)のフロントマンであり、ウィーザーのプロデューサー、リック・オケイセックである。

ザ・カーズのリック・オケイセックが死去

pillowsファンの中でリック・オケイセックを知っている人はほとんどいないと思うので、
簡単にカーズについて説明しておく。



カーズは1980年代に活躍した、MTV Video Music Award受賞歴もあるロックバンドだ。

1980年代って言えばハードロックとディスコ。
マイケル・ジャクソンであり、ヴァン・ヘイレンであり、ガンズ・アンド・ローゼズ、クイーン。(映画ボヘミアン・ラプソディのライブ・エイドのシーンは1985年。)
どちらにも属さないカーズは異色の存在で、日本のメディアであまり取り上げられなかった。だから売れなかった。
アメリカでは商業的に大成功してたんだけどね。


カーズ解散後、メインソングライターのリック・オケイセックはプロデューサーとして名を馳せる。

一番有名なのはWeezer(ウィーザー)の1st(ブルーアルバム)、3rd(グリーンアルバム)のプロデュース。





この2曲を聴いて何か気づくだろうか。

the pillows山中さわお氏がウィーザーのグリーンアルバムをお気に入りに挙げていたことは
ファンなら知っている人がいるかもしれない。

2009年くらいのラジオでの質問コーナーで、
「ピロウズを聴いてオルタナティブ・ロックに興味を持ちました。
何から聴けばいいのか教えてください」
というリスナーからの質問に、
さわお氏は
「ウィーザーの緑色のジャケットのアルバム(3rd、グリーンアルバムのこと。)を聴くといいよ」
と決まって答えていた。


the pillowsは活動期間の中で、音楽性を変えている。

リーダーと衝突した第一期。
ソウルミュージックを取り入れて売れなかった第二期。
ストレートなロックに舵を切った第三期。

さわお氏のインタビューから、ニルヴァーナ、ピクシーズから影響を受けて当時アメリカで流行していたオルタナティブ・ロックに舵を切ったと思われる。

オルタナティブ・ロックと言っても色々なバンドがあるので割愛するが、
アルバム「LITTLE BUSTERS」を作っている時点で、さわお氏がウィーザーの1stを既に聴いていた可能性が高い。

ライブに行けばわかるが、pillowsはコーラスを多用するバンドだ。
メンバー全員にマイクスタンドが立てられている。
他のバンドのライブを観るとわかるが、全員歌うというバンドはそう多くない。

pillows第三期を表現するときに、ストレートなギターロック、オルタナティブ・ロックと簡単に説明されることが多いが、
その中身は歪んだギター、ポップなメロディ、(時には観客席を巻き込んでの)多彩なコーラスワークで成り立っていたのだ。



少し話が逸れる。

先日活動再開を発表したELLEGARDEN(エルレガーデン)のヴォーカル、ギター、ソングライターの細美武士氏もウィーザーの大ファンである。

細美武士が100年後に残したい音楽
リストの5番目に、ウィーザーがある。
「一番影響を受けたと言っても過言ではない」と言っている。
自分が読んだ雑誌では、「ウィーザーのZepp Tokyoでのライブを観て、ここでライブをやりたいって思った」と語っていた。相当ファンなのだろう。

エルレの音楽も、グリーンディから派生したポップ・パンクの影響を受けつつも、
ヘヴィなギター、多彩なコーラスワークとウィーザーの影響が大きく感じられる。



元カーズのリック・オケイセックがウィーザーの1st/3rdアルバムをプロデュースして、
それが爆発的に売れたことで、
the pillows、ELLEGARDENをはじめ、
その他大勢の邦楽ロックバンドは
ヘヴィーなギターにポップなメロディ、
多彩なコーラスワーク、
という方向性に進むことになった。
最近の邦楽ロックフェスティバル大盛況も無縁ではないだろう。

リック・オケイセックの撒いた種は、
遠く離れた日本の地で、
大きく育つことになったのである。



(^o^)/ではまた。

【追記】ニルヴァーナのカート・コバーンもカーズが好きだった。
死の直前、ドイツ、ミュンヘンのラストライブの1曲目で
カーズのカヴァーをしている。
(ギターソロは雑だがw)

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